タブリーズ- TABRIZ

タブリーズ-アナトリアからヨーロッパにいたる国々とカスピ海以東の中央・東アジアとを結ぶ東西交流の幹線上にあり、マルコ・ポーロも「東方見聞録」の中でこの町の賑わいを記しています。 タブリーズの絨毯工房はイランでもっとも近代的と言われ、品質管理の徹底していることでも定評があります。タブリーズ絨毯の特色としては、デザインのレパートリーの 広さと緻密な織りとがあげられます。織り目が細かく、文様のどんな部分も正確無比なため、時に機械織りと間違えられるほどです。これはナイフと鉤針を合わせたような独特の道具を用いてトルコ結びで織るためで、それにより織るスピードが他の産地よりもずっと早くなり、結び目もよく揃うようになります。

イスファハン- ISFAHAN

イスファンテヘランの南490Kmに位置するイスファハンはかつての文化の中心地として栄えた古都です。その建築や寺院、タイル文様などに洗練されたペルシャ芸術の真価を 見つけ出すことができます。シャーモスク、アリ・カプ宮殿、マスジデ・シェイク、ルトフォーラーなど驚くほどの芸術的
建造物の数々です。16世紀末、イスファハンに 遷都した太陽王、シャー・アッバーズ大王によって絨毯は一大発展を遂げました。大宮殿、礼拝堂に敷くカーペットの必要性から、彼はペルシャ帝国全土から選り抜きの 職工を集めました。また、それまでの遊牧民的な抽象パターンのみでなく、具体的な自然界の万物をモチーフに絨毯を織らせました。イスファハン・カーペットの素晴らしさは なんと言っても花や動物の模様、そして一面に描かれる、つる、葉、樹の組み合わせです。また、イスファハンブルー(ペルシアンブルー)、イスファハンレッド(ワインレッド) が印象的です。

クム GHOM

クムクムはテヘランの南150Km、イスラム教の始祖モハメットの娘ファラティマが埋葬されているペルシャでも著名な聖なる町です。黄金色に輝くハラムモスクのドームや 尖塔は、まさに異国の郷愁そのものといえるでしょう。この地の絨毯の歴史は浅く、イスファハン、カシャーンなどの産地の技術、デザインを巧みに取り入れています。 そして、デザインにおいては、異なる産地のもっとも素晴らしい要素を取り入れただけでなく、新しいパターンを生み、オリジナル性を生み出しました。 特に、花壇のように小さい正方形に分かれている庭のデザイン、絨毯の縦横に伸びる縞模様のデザインはクム産の特徴が顕著に現れています。
新しい世代の芸術家が 創造した素晴らしい美術絨毯です。

カシャーン KASHAN

カシャーン首都テヘランの南250Kmの地点に位置し、大砂漠と緑地帯の境に当たり、緑樹がきわだった配色をなしています。イラン高原において歴史に記録された人類初の定住地が この地であったことは、人間の砂漠に対するあくなき戦い、根強い活力、そして美しいものを創造する不断の欲求と言うものが、このカシャーンには連綿と生き続けています。 6千年もの昔、人々をこの地にもたらしたものは、疑いも無く「フィンの泉」の豊かな水量でした。当時この地はシアクルと呼ばれ、世界でも空前の美しい陶器が造られ 今もなおその素晴らしさを伝えています。この産地の特徴としては無地のフィールドに図柄を浮き彫りにしたメダリオンタイプであり、もう一つは、つた草を絡ませた 花模様タイプが多く見られます。色彩は濃紺、えんじ色、ベージュが主流となり、落ち着いた色調の中にも、華々しさが感じられます。

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